旧字:上氣
そこでかれはだれもかれを信ずるものがないのに失望してますます怒り、憤り、上気あがって、そしてこの一条を絶えず人に語った。
高島田に園子の嫁入衣裳を借り着したおしもは嬉しさからすっかり上気てしまって、廊下のあたりや勝手元をうろうろ歩きまわったりした。
美しい素顔を上気させて、ハアハア息をはずませ乍ら物を言う様子は、眼の前へパッと咲いた桜のような感じのする娘です。
眼の縁の上気は、発熱のせいかも知れないと、そっと触ってみると、肌はしっとりと汗ばんで、思いの外冷えきっている、そのつめたさが感じられる。