“上尾(あげお)” の例文
大宮から上尾(あげお)へ二里——上尾から桶川(おけがわ)へ三十町——桶川から鴻(こう)の巣(す)へ一里三十町——鴻の巣から熊谷へ四里六町四十間。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
熱し熱しと人もいい我も喞(かこ)つ。鴻巣(こうのす)上尾(あげお)あたりは、暑気(あつさ)に倦(う)めるあまりの夢心地に過ぎて、熊谷という駅夫の声に驚き下りぬ。ここは荒川近き賑(にぎ)わえる町なり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「武男、武男」と耳近にたれやら呼びし心地(ここち)して、愕(がく)と目を開きし千々岩、窓よりのぞけば、列車はまさに上尾(あげお)の停車場(ステーション)にあり。駅夫が、「上尾上尾」と呼びて過ぎたるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)