三河万歳みかわまんざい)” の例文
町へ来るにぎやかな三河万歳みかわまんざいまでが、めでたい正月の気分を置いて行く中で、半蔵は謹慎の意を表しながらひとり部屋にすわりつづけた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おめえさまも昔とは違う身分だ。千両の金をなくしてしまえば、乞食するよりほかはあるめえ。主人と家来が二人つながって三河万歳みかわまんざいもできめえから、よっくそこらも考げえて下せえましよ」
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三河万歳みかわまんざい普陀洛ふだらくやの合併がっぺいしたものと思えば大した間違いにはならない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『会津旧事雑考』より承安元年辛卯かのとうを耶麻郡新宮の神器の銘に、弥勒元辛卯と記した由を引き、三河万歳みかわまんざいの唱歌に、弥勒十年辰の歳、諸神の立ちたる御屋形と唄うも、いずれなき事にはあらじかし