町へ来るにぎやかな三河万歳までが、めでたい正月の気分を置いて行く中で、半蔵は謹慎の意を表しながらひとり部屋にすわりつづけた。
「おめえさまも昔とは違う身分だ。千両の金をなくしてしまえば、乞食するよりほかはあるめえ。主人と家来が二人つながって三河万歳もできめえから、よっくそこらも考げえて下せえましよ」
“三河万歳(三河萬歳)”の解説
三河萬歳(みかわまんざい)とは、愛知県の旧三河国地域であった安城市・西尾市・豊川市小坂井町・額田郡幸田町に伝わる伝統芸能である。特に、伝承地名により別所万歳(安城市)・森下万歳(西尾市)とも呼ばれる。この他にも三河地方の各地に三河万歳があるが、この項目では別所万歳と森下万歳を中心に記述する。なお表題は「萬歳」としているが、ここでは一般用語(喜びや祝いを表すときの言葉)の「万歳(ばんざい・ばんぜい)」との区別を必要としないので、表記を「万歳」で統一した。
(出典:Wikipedia)
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