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丁髷
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ちよんまげ
ふりがな文庫
“
丁髷
(
ちよんまげ
)” の例文
千代松といふ人は
頭髮
(
あたま
)
を
丁髷
(
ちよんまげ
)
に
結
(
ゆ
)
つてゐた。幾ら其の頃でも、村中で丁髷はただこの千代松の頭の上に見らるゝだけであつた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
親分の勘兵衞は五十二で、
鰐口
(
わにぐち
)
に
丁髷
(
ちよんまげ
)
を
結
(
ゆ
)
はせたやうな
醜男
(
ぶをとこ
)
だが、妾のお關は二十一、
搗
(
つ
)
き立ての餅のやうに柔かくて色白で、たまらねえ愛嬌のある女だ。
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
明治の御維新で、今まで頭のうしろに結んでゐた
丁髷
(
ちよんまげ
)
をとつてしまひました。また街道をば、人を乗せて通つたかごがなくなり、そのかはりに人力車が走るやうになりました。
百姓の足、坊さんの足
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
頑固の看板と人から笑はれてゐた
丁髷
(
ちよんまげ
)
を切りもやらぬ心掛が自然その
技
(
わざ
)
の上にあらはれて、豪放無類の作りが名を得て、関東関西の取引の元締たる久宝寺町の井筒屋、浪花橋の
釘吉
(
くぎよし
)
、
松喜
(
まつき
)
名工出世譚
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「あんたんとこみたいな薄茶はごわへんので。」と千代松は、稍亂れかけた
丁髷
(
ちよんまげ
)
を氣にするやうに撫でながら言つた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
野
幇間
(
だいこ
)
も兼ねてゐる、
跛者
(
びつこ
)
で
眇目
(
めつかち
)
で、リゴレツトに
丁髷
(
ちよんまげ
)
を結はせたやうな中年者でした。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「千代さんは
仲間
(
ちゆうげん
)
みたいやなア。村一番の良い衆(金持ちの事)とは見えん。」と、定吉は、油のコテ/\した千代松の
丁髷
(
ちよんまげ
)
が、午後の日影に光るのを見てゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
今では村中で唯一人の
丁髷
(
ちよんまげ
)
が、結立てで餘計大きく見え、髯を剃つた痕が蒼々としてゐた。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
“丁髷”の解説
丁髷(ちょんまげ)とは、江戸時代の男性にみられた髪型の一種。月代(さかやき)と呼ばれる前頭部から頭頂部にかけての範囲の頭髪を剃り、残りの頭髪を結ったものをいう。
本来は本多髷(ほんだまげ)と言い、「ちょんまげ」は、えび折りにした髷がゝ(ちょん)に似ているところから生じた明治初期以降の俗称である。
江戸時代の男性が結った髷を全て丁髷と呼ぶことも多いが、正確には丁髷は髪の少ない老人などが結う髷を指し、一般的に結われた髷は銀杏髷で、丁髷とは異なるものである。
(出典:Wikipedia)
丁
常用漢字
小3
部首:⼀
2画
髷
漢検1級
部首:⾽
16画
“丁髷”で始まる語句
丁髷頭
丁髷鬘
丁髷時代