トップ
>
一顰
>
いっぴん
ふりがな文庫
“
一顰
(
いっぴん
)” の例文
一方は赤裸々の心事を、赤裸々に発表すれども、他方は
苟
(
いやし
)
くも人に許さず、甚だ一笑
一顰
(
いっぴん
)
を
吝
(
おし
)
み、礼儀三千
威儀
(
いぎ
)
の中に、高く標置す。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それが一夜で、黄色い汚水に変ってしまいました。見よ、ヨシ子は、その夜から自分の
一顰
(
いっぴん
)
一笑にさえ気を遣うようになりました。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
僕はふいと馬鹿げた事を考えた。昔の名君は
一顰
(
いっぴん
)
一笑を惜んだそうだが、こいつ等はもう只で笑わないだけの修行をしているなと思ったのである。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
殊に今度は間に
悲哀
(
トリステサ
)
という邪魔物が介在してきただけに、私にとっては事態の収拾が以前よりも一層困難を極め、一家の主人でありながら、召使たちの
一顰
(
いっぴん
)
一笑にまで気を兼ねて
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
その証拠には、内府の一声には、今度の会津攻めでも、即日に七十余侯の大軍が東下しているのみか、家康の一笑
一顰
(
いっぴん
)
をおそれて、先を争ってゆくさまは、むしろ浅ましいものがある。
大谷刑部
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
天下の民みな
覇政
(
はせい
)
の
沢
(
たく
)
に沈酔し、一旅を以て天下を争わんとしたる
幾多
(
いくた
)
の猛将
梟漢
(
きょうかん
)
の子孫が、
柳営
(
りゅうえい
)
の
一顰
(
いっぴん
)
一笑
(
いっしょう
)
に
殺活
(
さっかつ
)
せられつつある際に、彼の
烱眼
(
けいがん
)
は、早くも隣国の形勢に注げり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
顰
漢検1級
部首:⾴
24画
“一顰”で始まる語句
一顰一笑
一顰一蹙