“一穴”の読み方と例文
読み方割合
いっけつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
直義ただよし、上杉、畠山などの、いわゆる道誉のいう一穴いっけつの者のうごきが、彼には以後、忘れえぬ警戒心となっていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大公儀の御沙汰に当藩が承服せぬとなったら、そこがそのまま大公儀の付け目じゃ。越前宰相殿、駿河大納言殿の先例も近いこと。千丈の堤もあり一穴いっけつから……他所事よそごとでは御座らぬわい。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「これはさっそくな御返報。いかにも道誉にはそういわれても仕方がないところがある。しかし御執事、それがしは陽性のつもりでいます。ご存知の一穴いっけつむじなのごとき陰性な者とは御同視なきように」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)