一彫ひとほり)” の例文
ただ伏拝むと、ななめ差覗さしのぞかせたまうお姿は、御丈おんたけ八寸、雪なす卯の花に袖のひだがなびく。白木一彫ひとほり、群青の御髪みぐしにして、一点の朱の唇、打微笑うちほほえみつつ、爺を、銑吉を、見そなわす。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)