一当ひとあて)” の例文
旧字:一當
まだまだあの女将おかみはやつてゐる。キリキリと砥石に一当ひとあてあてて、じつと聴くともなくを返すとホロリと涙が落ちた。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
梅「清藏どん、取押えた、なか/\勝手を知った奴と見えて、廊下伝いに入った、力のある奴だが、柔術やわらの手で押えたら動けん、今暴れそうにしたからうんと一当ひとあてあてたから縛って下さい」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
また一当ひとあて当てられて揉手もみでをして
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)