“ろがん”の漢字の書き方と例文
語句割合
蘆雁100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
床柱とこばしらけたる払子ほっすの先にはき残るこうの煙りがみ込んで、軸は若冲じゃくちゅう蘆雁ろがんと見える。かりの数は七十三羽、あしもとより数えがたい。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鎖の先に燃える柘榴石ガーネットは、蒔絵まきえ蘆雁ろがんを高く置いた手文庫の底から、怪しき光りを放って藤尾を招く。藤尾はすうと立った。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
並ぶ蘆雁ろがんの高蒔絵の中には昨日きのうまで、深き光を暗き底に放つ柘榴珠が収めてあった。両蓋に隙間すきまなく七子を盛る金側時計が収めてあった。高蒔絵の上には一巻の書物がせてある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)