“らんり”の漢字の書き方と例文
語句割合
乱離100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
途々みちみち乱離らんりとして、往来に焼け倒れている民家の火のはりも、焔のうずも、彼の行くをさまたげることはできなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しもとならべて、つきかかるやりも、乱離らんりとなって折れとんだ。葵紋あおいもん幔幕まんまくへ、きりのような、血汐ちしおッかけて、見るまに、いくつかの死骸しがい虚空こくうをつかむ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
焼け色の石燈籠もまだ乱離らんりの状態だ。境内の地上は一歩一歩に、それ以前の巨木の焦げた根コブを残していて、なお戦災の日をまざまざと偲ばせるものがある。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)