“よくめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
慾目81.8%
欲目18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんな調子に、筑阿弥ちくあみは絶えず口ぎたなく日吉をこき使ったが、母の甘い慾目よくめばかりでなく、実際、寺から帰って来た後の日吉は、生れ変ったようによく働いた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
親の慾目よくめかは知れませんが、師匠のお手本によって描いたものを見ましてもくまあこんなに描けるものだと思ったこともありまして、子供の前ではいえないことだが
快活かいかつ情愛じょうあいがあって、すこしも官吏かんりふうをせぬところから、場中じょうちゅう気受きうけも近郷きんごう評判ひょうばんもすこぶるよろしかった。近郷きんごう農民のうみんはひいきの欲目よくめから、糟谷は遠からずきっと場長じょうちょうになると信じておった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「……だが、まだおれは三十まえ、あとの半生で、とり返しのつかないこともなかろう。……ああ、そういう気になってから、おれの人相も、自分の欲目よくめか、すこし善くなって来たような気がする」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)