“ゆきぬ”の漢字の書き方と例文
語句割合
行抜100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて停車場ステエションへ出ながらると、旅店はたごやの裏がすぐ水田みずたで、となりとの地境じざかい行抜ゆきぬけの処に、花壇があって、牡丹が咲いた。竹の垣もわないが、遊んでいた小児こどもたちも、いたずらはしないと見える。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この裏を行抜ゆきぬけの正面、霧のあやも遮らず目の届く処に角が立った青いもののちらばったのは、一軒飛離れて海苔粗朶のりそだの垣を小さく結った小屋でく貝の殻で、その剥身むきみ屋のうしろに、薄霧のかかった中は
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)