“ぼろぶとん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
襤褸布団50.0%
襤褸蒲団50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薄暗い二間には、襤褸布団ぼろぶとんくるまって十人近くも寝ているようだ。まだつかぬ者は、頭を挙げて新入しんいりの私をいぶかしそうに眺めた。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
いつもこんな日には、外稼ぎの連中は為事しごとにも出られず、三度の飯を二度にして、転々ごろごろ襤褸布団ぼろぶとんくるまりながら冴えない顔をしているのだが、今日ばかりはそうでない。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
翌朝私が目を覚した時には、周囲まわりの者はいずれももう出払っていたが、私のほかに今一人、向うの部屋で襤褸布団ぼろぶとんくるまっている者があった。それは昨夜ゆうべ遅く帰った白い兵児帯へこおびの男だ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
硫黄いおうヶ島の若布わかめのごとき襤褸蒲団ぼろぶとんにくるまって、抜綿ぬきわたまろげたのを枕にしている、これさえじかづけであるのに、親仁が水でもはかしたせいか、船へ上げられた時よりは髪がひっつぶれて
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)