“はめガラス”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嵌硝子42.9%
嵌玻璃14.3%
箝硝子14.3%
篏入硝子14.3%
篏硝子14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水に臨んだ方は硝子戸ガラスどと雨戸が二重に閉めてあって、それが内の障子の嵌硝子はめガラスから寒そうに透けて見えた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
障子の嵌玻璃はめガラスを通して射し込む光線はその部屋の中を寺院おてらのやうに静かに見せて居る。そこは夫人の姉さんがまだ斯世に居た頃の居間の光景さまだ。
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
例の窓からは往來を隔てゝ時計屋の店頭みせさきが見えます。白い障子の箝硝子はめガラスを通して錯々せつせと時計を磨いて居る亭主の容子ようすが見えます。その窓の下へは時折來て聲を掛ける學校の友達もありました。
障子しょうじ篏入硝子はめガラスに映るその横顔が彼の眼に入った時、津田は外部そとから声を掛けた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
翌日あくるひもまたき通るような日差ひざしを眼に受けて、晴々はればれしい空気を篏硝子はめガラスの外に眺めた彼の耳には、隣りの洗濯屋で例の通りごしごし云わす音が、どことなしに秋の情趣をそそった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)