“はつらつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
溌剌71.4%
溌溂26.6%
溌刺1.3%
撥剌0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無理もない、この海浜都市が、溌剌はつらつたる生気の坩堝るつぼの中に、放り込まれようという、今日きょうがその心もうきたつ海岸開きの日なのだから——。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
紅やとのこを塗るに随って、石膏せっこうの如く唯徒らに真っ白であった私の顔が、溌剌はつらつとした生色ある女の相に変って行く面白さ。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
といつて日本の家庭に縁のないA氏は、銀座や劇場などで見かける溌剌はつらつとした令嬢に、わづかに日本女性の生ける美を見出みいだして来たに過ぎない。
三つの挿話 (新字旧仮名) / 神西清(著)
あなたが「仏蘭西フランスでの第一印象」と云ふ題でアンナル誌にお書きに成つたのを、わたくしは最も溌剌はつらつたる感興をもつて読みました。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
彼等の元気溌剌はつらつたる過渡期の詩人は、これによって欧風の詩を移植し、新日本の若き抒情詩リリックを創った積りで得意になっていた。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
この場合において最も必要なるは、史家の心生活に溌溂はつらつたる生気があり、その感受性の鋭敏なることであって、この点では、史家の資質には詩人のそれに同じきものが要求せられる。
歴史の矛盾性 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
素戔嗚はすぐに糸を上げた。糸の先には山目やまめ一尾いちび溌溂はつらつと銀のようにおどっていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
山の中とはことかわり、溌溂はつらつたる陽春の気は野に丘に満ち、快い微風は戦士等のやつれた頬を撫でて居る。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
けれども先輩達は長閑気のんきに元気に溌溂はつらつと笑い興じて、田舎道いなかみちを市川の方へあるいた。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
で、腕の血色けつしよくを見ても、にごりれて、若い血が溌溂はつらつとしてをどツてゐるかと思はれる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そういって語る安宅の顔付には、その年頃の溌刺はつらつたる青年とは思えず、どこか海底の小暗こぐら軟泥なんでいんでいる棘皮きょくひ動物の精が不思議な上咄うえばなしを訴えているという風に思われた。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あの撥剌はつらつとした春の草のような生気が、激しい音をたて血管の中をはしっているに相違ない。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)