“にじゅうまわ”の漢字の書き方と例文
語句割合
二重廻100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
首から下も見えぬけれど何だか二重廻にじゅうまわしを著て居るように思われた。その顔が三たび変った。今度は八つか九つ位の女の子の顔で眼は全く下向いて居る。
ランプの影 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
茶屋は幸にしてちがっていた。吉川夫婦の姿はどこにも見えなかった。えりに毛皮の付いた重そうな二重廻にじゅうまわしを引掛ひっかけながら岡本がコートにそでを通しているお延をかえりみた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
じじむさい襟巻えりまきした金貸らしいおやじが不満らしく横目ににらみかえしたが、真白まっしろな女の襟元に、文句はいえず、押し敷かれた古臭い二重廻にじゅうまわしのはねを、だいじそうに引取りながら、順送りに席をざった。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)