“とひきた”の漢字の書き方と例文
語句割合
訪来100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或日箕輪みのわの内儀は思も懸けず訪来とひきたりぬ。その娘のお俊と宮とは学校朋輩ほうばいにて常に往来ゆききしたりけれども、いまうちと家との交際はあらざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
月正に五月に入つて旬日を経たる頃なり。もし花卉くわきを愛する人のたま/\わが廃宅に訪来とひきたることあらんか、蝶影てふえい片々たる閑庭異様なる花香くわかうの脉々として漂へるを知るべし。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
愕然がくぜんとして彼はひとみこらせり。ベッドのかたはらに立てるは、その怪き夢の中にあらはれて、終始相離あひはなれざりし主人公その人ならずや。打返し打返しれども訪来とひきたれる満枝にまぎれあらざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
絶交せるやうに疏音そいんなりし荒尾の、何の意ありてにはか訪来とひきたれるならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)