“ちがいだな”の漢字の書き方と例文
語句割合
違棚100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丹前の胸を開いて、違棚ちがいだなの上から、例の異様な胴衣チョッキを取り下ろして、たいななめに腕を通した時、甲野さんは聞いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我ながら相応そぐはない事を云つて、火桶ひおけ此方こなたへ坐つた時、違棚ちがいだなの背皮の文字が、稲妻いなずまの如く沢のひとみた、ほかには何もない、机の上なるも其の中の一冊である。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
次ぎの間にも違棚ちがいだながあって、そこにも小さい軸がかかっていた。青蚊帳あおかやに微風がそよいで、今日も暑そうであったが、ここは山のいおりにでもいるような気分であった。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)