“たれこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
垂籠75.0%
垂込25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
顔を見るさえ許さざれば垂籠たれこめたるの内に、下枝の泣く声聞くたびに我ははらわたを断つばかりなりし。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくなりてより彼はおのづから唯継の面前をいとひて、寂く垂籠たれこめては、随意に物思ふをよろこびたりしが、図らずも田鶴見たずみ邸内やしきうちに貫一を見しより、彼のさして昔に変らぬ一介の書生風なるを見しより
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
過ぎ行く舟の奥床おくゆかしくも垂込たれこめた簾の内をば窺見うかがいみようと首をのばしたが、かの屋根船は早くも遠く川下の方へと流れて行ってしまった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その次は大川に臨んだ漁師申松さるまつの家で、狹い庭に商賣道具の投網などを干してありますが、當の申松は陽が高いといふに薄暗い家の中に垂込たれこんで、膝つ小僧の中に首を突込み