“たいかこうろう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大厦高楼50.0%
大廈高楼50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陰惨な私娼窟からここへ来ると、ここはまるで大厦高楼たいかこうろうが立ち並んでいる印象だった。大名屋敷の式台みたいな、ぴかぴか光った板の間に、盛装をしたおいらんが商品見本のように立っている。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
寝屋ねやの屏風太鼓張たいこばりふすまなぞ破れたるを、妻と二人して今までは互に秘置ひめおきける古きふみ反古ほご取出とりいだして読返しながら張りつくろふ楽しみもまた大厦高楼たいかこうろうを家とする富貴ふうきの人の窺知うかがいしるべからざる所なるべし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
大廈高楼たいかこうろうが両側に立ち並んでいた。商品が人間だそうだからナカ/\以て牛肉屋や鰻屋の比でない。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
金モールを載せて轣轆れきろくと帝都をはしる貴顕大官の馬車や、開港場の黄金時代に乗って、大廈高楼たいかこうろうに豪杯を挙げている無数の成り上がり者をながめて——一体、こういう人間を作るために
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)