“すぎさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
過去100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと着古し膝の丸く出た服のズボンを見下したが、過去すぎさった記憶からのがれるように、足早にそこを立去った。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
悟空ごくうの今一つの特色は、けっして過去を語らぬことである。というより、彼は、過去すぎさったことは一切忘れてしまうらしい。少なくとも個々の出来事は忘れてしまうのだ。
私だって、実際生存ながらえていようとは考えないが、随分その当時、表向きに騒いで、捜索さがしもしたもんだけれども、それらしい死骸も見附からないで、今まで過去すぎさったんだ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)