“じょくちゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蓐中50.0%
褥中50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御米は産後の蓐中じょくちゅうにその始末を聞いて、ただ軽く首肯うなずいたぎり何にも云わなかった。そうして、疲労に少し落ち込んだ眼をうるませて、長い睫毛まつげをしきりに動かした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また読んでいる場所は書斎のうちか郊外か蓐中じょくちゅうかを忘れると云うのと同じ事であります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕は久しぶりで広い世間に出たかと思うと、実際は暗闇の褥中じょくちゅうにさめているのであった。持ち帰った包みの中からは、厳粛な顔つきでレオナドがのぞいている。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
春琴も褥中じょくちゅうにあって静かに仰臥ぎょうがしていたがなぜか呍々うんうんうなっている佐助は最初春琴がゆめうなされているのだと思いお師匠さまどうなされましたお師匠さまと枕元へ寄ってり起そうとした時我知らずあと叫んで両眼を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)