“しなのじ”の漢字の書き方と例文
語句割合
信濃路100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なまよみの甲斐かいの国、山梨やまなしあがたを過ぎて、信濃路しなのじに巡りいでまし、諏訪すわのうみを見渡したまひ、松本の深志ふかしの里に、大御輿おおみこしめぐらしたまひ、真木まき立つ木曾のみ山路、岩が根のこごしき道を
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
信濃路しなのじの小さな田舎でだったよ。おれはその頃将監さんに仕込まれた咽喉でもって旅芸人を稼いでいたのだ。柏原という村へ来て、くたびれ休めにそこにあった小屋の縁側に腰をかけたものだ。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
ここは木曾路をへてくる上方かみがたの客、信濃路しなのじからくる善光寺帰りの旅人、和田峠をこえて江戸の方角から辿たどりつく旅人などが、一せきあかを洗うべく温泉をたのしみに必ずわらじを脱ぐので
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)