“さんいつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
散佚77.8%
散逸22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
微力其任に堪へずと雖も、当代の人目を聳動しようどうしたる雄篇鉅作くさくは問ふを待たず、あまねく江湖に散佚さんいつせる万顆ばんくわ零玉れいぎよく細珠さいしゆを集め、一も遺漏ゐろう無からんことを期せり。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
枕山が維新以後の詩賦には散佚さんいつしたものがすくなくない。『梅坡詩鈔』の題詩の如きも遺稿には載せられていない。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
スタインホイザアの稿本は散逸さんいつして、バアトンの手にはひつたものは僅かであつた。
南宋となってから世もしばらく小康がつづいた。天下の名画をあつめた徽宗の宣和御府せんなぎょふ儲蔵ちょぞうも、往年の乱で大部分は散逸さんいつしたが、臨安の新都には、中興館閣儲蔵の制がふたたび設けられた。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)