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さきやう
奧へ通じたれば天忠聞て大膳と
有ば
我甥なり遠慮に及ばず直に
居間へ通すべしとの事なれば取次の侍案内に及べば大膳は
吉兵衞左京の兩人を
携へて
相隨ひ山内伊賀亮には
黒羽二重の
袷小袖に
柿染の
長上下その外赤川大膳藤井
左京皆々麻上下にて
續て隨ひ來る
其行粧は
威風堂々として四邊を
持せしは藤井
左京なり少し
離れて
白黒の
摘毛の鎗を
眞先に
押立麻上下にて馬上なるは赤川大膳にて今日の
御供頭たり右の同勢
堂々として渡邊橋の旅館を
立出下に/\と制しをなし御城代の
屋敷を