“こりかた”の漢字の書き方と例文
語句割合
凝固100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御自分の無良心な、二重人格式の性格の人知れぬ強さを、どこどこまでも深刻に楽しみ、誇って行こうとしておられる、変態趣味的に極端な個人主義の凝固こりかたまりなのです。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その眼で——今、暗い中空から燈火あかりのない甲板の上を見下ろすと、なるほど、そう言われてみるとその通り、一人の小さな人体がひざまずいて、一心に凝固こりかたまっている形が、ありありと認められる。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼は、愛もにくしみも、乃至ないしまた性欲も忘れて、この象牙ぞうげの山のような、巨大な乳房ちぶさを見守った。そうして、驚嘆の余り、寝床の汗臭いにおいも忘れたのか、いつまでも凝固こりかたまったように動かなかった。
女体 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)