“こぎい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漕入75.0%
漕出25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一同はお浜御殿はまごてんの石垣下まで漕入こぎいってから空腹を我慢しつつ水の上の全く暗くなるのを待ち船宿の桟橋へあがるが否や、店に預けて置いた手荷物を奪うように引掴ひっつかみ、めいめいあとをも見ず
巨勢はぬぎたる夏外套なつがいとうを少女にせて小舟おぶねに乗らせ、われはかい取りて漕出こぎいでぬ。雨は歇みたれど、天なほ曇りたるに、暮色は早く岸のあなたに来ぬ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
暮れゆくそらに心細くなりしわれは、はやかへらむといへど、聴かずして漕出こぎいで、岸辺に添ひてゆくほどに、人げ遠き葦間あしまきたりしが、男は舟をそこにめつ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)