“げすおんな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
下司女66.7%
下衆女16.7%
下種女16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けだしハシタモノすなわち下司女げすおんなは下品であるということから、かくいろいろにその語が用いられる様になったのであろう。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
ふとった、十六七の下衆女げすおんなが一人、これも酒肥さかぶとりにふとった、はげ頭の老人に、髪の毛をつかまれながら、怪しげな麻の単衣ひとえの、前もあらわに取り乱したまま、足をばたばた動かして、気違いのように
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
家の中には、下衆女げすおんな阿濃あこぎのほかに、たれもいない。やがて、しとみをおろす。結び燈台へ火をつける。そうして、あの何畳かの畳の上に、折敷おしき高坏たかつきを、所狭く置きならべて、二人ぎりの小酒盛こざかもりをする。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
真夏の日の日盛りに下等な牛をつけてのろのろと行くきたない車や、年老いた乞食や、身なりの悪い下種女げすおんなの子をえる姿や、黒くきたない小さい板屋の雨に濡れた光景などをあげた。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)