“くいし”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
喰緊	33.3%
喰総	33.3%
噛〆	33.3%

喰緊

軍鶏も窘（すく）むようであった。婆は恐しい目をしながら、胸に波を打たせて肩で呼吸（いき）だ、歯を喰緊（くいし）めて口が利けず。

三枚続 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

喰総

竿を手にして、一心に魚のシメ込（こみ）を候（うかが）った。魚は式（かた）の如くにやがて喰総（くいし）めた。こっちは合せた。むこうは抵抗した。竿は月の如くになった。綸（いと）は鉄線（はりがね）の如くになった。水面に小波（さざなみ）は立った。

蘆声 (新字新仮名) ／ 幸田露伴(著)

噛〆

とガラリ障子を明けて見ると、御新造は歯を噛〆（くいし）め反（そ）って居（お）るを女中が押して居（お）るが力の強いもので男の二三人ぐらい跳（はね）かえしますから、由兵衞が飛込んで押えます。

霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) ／ 三遊亭円朝(著)