“きれめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
切目75.0%
断目25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
年齢は法水と同様三七、八がらみ、血色のよいヤフェクト風の丸顔で額が抜け上り、ちょっと見は柔和な商人体の容貌であるが、眼だけは、切目きれめ穂槍ほやり形に尖っていて鋭かった。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それへ出ると、何処どこでも広々と見えますので、最初左の浜庇はまびさし、今度は右のかやの屋根と、二、三箇処がしょ、その切目きれめへ出て、のぞいたが、何処どこにも、祭礼まつりらしい処はない。海はあかるく、谷はけぶって。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
厚く重なり合った雲の断目きれめから、飴色の弱い日が洩れた。あぜの並木の片側が薄く照り映えた。田の中には氷が張って、処々に雪が消えずに残っている。街道を行くと、旅人の影がちらちら見られた。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)