“きえしや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
歸依者60.0%
帰依者40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四條金吾は鎌倉幕府の江馬入道えまにふだうにつかへた武士で、當時四面楚歌の日蓮に師事し、法華經信者の隨一ともいへる若人わかうどだ。金吾は日蓮龍の口法難のをりは、自分も腹を切らうとした無垢純粹の歸依者きえしやだ。
彼が人間同士の幾多の信頼にそむいて居ることよりも、この純一な自分の帰依者きえしやに対しての申訳なさは、彼にはむしろ数層倍も以上に感じられた。
ああ、貧困は実に天才を護育するの揺籃えうらんなりき。敬虔なる真理の帰依者きえしやスピノザもまたくの如くなりき。彼は眼鏡磨臼すりうすをひいて一生を洗ふが如き赤貧のうちに、静かに自由の思索にふけれり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)