“かんしゃくごえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
癇癪声66.7%
疳癪声33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
揚句あげくの果に誰かが「あたまへ触っちゃいやだっていうのに。」と癇癪声かんしゃくごえを張り上げるが口喧嘩にならぬ先に窓下を通る蜜豆屋みつまめやの呼び声にまぎらされて、一人が立ってあわただしく呼止める
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「うるさいよ!」だしぬけに子供は癇癪声かんしゃくごえを張り上げて叫んだ。しかも、今もなおなにかしら待ち受けているかのように、その場を動こうともせずに、またもや恨めしげに眼を光らせた。
「帰ったら帰ったと、なぜおれんとこへ来て挨拶をしねえんだ」養母にささえられながら、疳癪声かんしゃくごえを立てている養父の声が、お島の方へ手に取るように聞えた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼が東京住居をして居た時、ある日隣家となり御隠居ごいんきょばあさんが、「一ぱいになってこぼるゝ様になってるものを、せっせと来てくれンじゃ困るじゃないか」と疳癪声かんしゃくごえで百姓を叱る声を聞いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「あっちへ行っておいで」お島はのしかかるような疳癪声かんしゃくごえを出して逐退おいしりぞけた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)