“かんざけ”の漢字の書き方と例文
語句割合
燗酒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仲間対手の小さい、おでんと、燗酒かんざけの出店が、邸の正面へ、夕方時から出て店を張っていた。車を中心に柱を立てて、土塀から、板廂いたびさしを広く突き出し、雨だけはしのげた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
それから徳利をつかんで、燗酒かんざけを一口ぐいと飲んで、インバネスを着たまま、足袋を穿いたまま、被せた膝掛のいざらないように、そっと夜着の領を持って、ごろりと寝た。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「どうも姉様ねえさん難有ありがとう。」車夫は輪軸を検せんとて梶棒を下すを暗号あいずに、おでん燗酒かんざけ茄小豆ゆであずき、大福餅の屋台みせに、先刻さきより埋伏まいふくして待懸けたる、車夫、日雇取ひようとり、立ン坊、七八人
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)