“うしろづま”の漢字の書き方と例文
語句割合
後褄100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兎も角もそんな体裁だらしない風をして雨の中を歩く奴があるものか、待て待て、俺が始末をして遣ると、背後から手を伸して後褄うしろづまを引あげ、裳をクルリと捲る途端にピカリ
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
投げた単衣ひとえ後褄うしろづまを、かなぐり取った花野の帯の輪で守護して、その秋草の、幻に夕映ゆる、蹴出けだしの色の片膝を立て、それによりかかるようにはぎをあらわに、おくれ毛をでつけるのに
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その時、捻向ねじむいて、くなくなと首を垂れると、った後褄うしろづまを、あの真黒まっくろくちばしで、ぐい、とくわえて上げた、と思え。……鳥のような、獣のような異体いていな黄色い脚を、ぬい、と端折はしょった、傍若無人で。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)