“いんきくさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
陰気臭80.0%
陰氣臭20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ればかりでなく黒ずんだ天井てんじやう壁襖かべふすまかこまれた二階のへやがいやに陰気臭いんきくさくて、燈火とうくわの多い、人の大勢おほぜいあつまつてゐる芝居しばゐにぎはひが、我慢がまん出来できぬほど恋しく思はれてならなかつたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
学校を出た頃の彼は、非常に四角四面で、始終しじゅう堅苦しく構えていたから、父や母も多少彼に気をおく様子が見えた。その上病気のせいでもあろうが、常に陰気臭いんきくさい顔をして、うちにばかり引込ひっこんでいた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
千駄木の大地主、中屋萬藏の豪勢な家は、陰氣臭いんきくさく靜まり返つて、氣ぜはしく出入りする人々も、足音を忍ばせるやうな、妙に滅入つた姿でした。