“いづつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
井筒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又太郎は一室で、清楚な狩衣かりぎぬに着かえ、烏帽子も新しくして、若水を汲むべく、庭の井筒いづつへ降り立っていた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女中に導かれるまでもなく、門からつい一足の右手は、花崗石の高さ三尺、径四尺ぐらいの井筒いづつがあって「走井」と彫ってある、そこから滾々こんこんと水を吹き上げている。
その二は一樹いちじゅ垂楊図すいようずの上部を限るかすみあいだより糸の如きその枝を吹きなびかす処、だいなる菱形ひしがた井筒いづつを中央にして前髪姿の若衆しま着流きながし羽織塗下駄ぬりげたこしらへにて居住いずま
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)