“いちいち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一々73.1%
一一19.2%
一〻7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一時に皆が帰りかけた。六角の手作りの提灯に火をともす間は、挨拶をし合つたり雑談を取りかはしたりして、なかなかさうざうしかつた。おつかさまは一々いちいち
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
兵隊上へいたいあがりの小使こづかいのニキタは乱暴らんぼうにも、かくし一々いちいち転覆ひっくりかえして、すっかり取返とりかえしてしまうのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
一々いちいち由緒のあるのを、車夫わかいしゅに聞きながら、金鶏山きんけいざんいただき、柳のたちあとを左右に見つつ、くるまは三代の豪奢ごうしゃの亡びたる
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから私は思う所あって、今自分が現にいるへやうちを隅から隅まで一々いちいちしらべて見た。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
俺に一々いちいち口を出させんでも、お前は、ここでは恐れられているんだからな……あの鉱山が成績があがれば
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
翁は僕等の帰るに臨んで三葉の自身の写真に署名して贈られ、さうして扉口とぐちに立つて一一いちいち僕等の手を握られた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
らちもない対話をしているのに、一一いちいちことばに応じて、一一の表情筋の顫動せんどうが現れる。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
是もわたくしゆえ思わぬ不快を耳に入れ玉うと一一いちいち胸先むなさきに痛く、さしつむしゃくおさえて御顔打守うちまもりしに、のびやかなる御気象
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ムネ・シユリイは孫にでも対する様に皆のさかづき一一いちいち楽しさうに手づから酒をいだ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
学校時代の教師の教にさえ内心では十分に服せぬ娘が、妻となりましたからといって夫の言葉を一一いちいち御無理御尤ごもっともと和するほどに今の教育は女を愚に致してはないはずです。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
歴尋れきじん嬋娟せんえんの節、翦破せんぱ蒼莨根そうろうこん、とありまするから、一〻いちいちこの竹、あの竹と調べまわった訳です。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一〻いちいち例を挙げていることも出来ないが、大概日本人の妄信はこの時代に醞醸うんじょうし出されて近時にまで及んでいるのである。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)