“いだきし”の漢字の書き方と例文
語句割合
抱緊100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宮は彼の背後うしろより取縋とりすがり、抱緊いだきしめ、撼動ゆりうごかして、をののく声を励せば、励す声は更に戦きぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼はあやふきをすくはんとする如くひしと宮に取着きて匂滴にほひこぼるる頸元えりもとゆる涙をそそぎつつ、あしの枯葉の風にもまるるやうに身をふるはせり。宮も離れじと抱緊いだきしめて諸共もろともに顫ひつつ、貫一がひぢみて咽泣むせびなきに泣けり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)