“いくえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
幾重98.2%
幾江1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの船や鴎はどこから来、どこへ行ってしまうのであろう? 海はただ幾重いくえかの海苔粗朶のりそだの向うに青あおと煙っているばかりである。……
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しもに焼けたつつじのみが幾重いくえにも波形に重なって、向こうの赤松あかまつの森につづいている。空は青々とんでおり、風もない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それは私に同年おないどしでした。そのねえさんが茂江しげえさんで、そのもう一つ上が幾江いくえさんでした。斜向すぢむかひの角の泉勇いづゆうと云ふ仕立屋の子は、おうたちやんと、名を云ひました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)