“あんどんばかま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
行燈袴50.0%
行灯袴50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三吉は学校から震えて帰って来て、小倉の行燈袴あんどんばかまのなりで食卓にいた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
のみならず同氏が地謡に座って謡いながら翁の前で行燈袴あんどんばかまをまくって、毛ムクジャラな尻から太股まで丸出しにしてかゆい処をバリバリと掻きまわるような事があっても翁は見ないふりをしていた。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
無地の羽織に友縫ともぬいもんを付けて、セルの行灯袴あんどんばかま穿いたその青年紳士は、彼らと顔を見合せるや否や、「失礼」と挨拶あいさつでもして通り過ぎるように、鄭重ていちょうな態度を無言のうちに示して
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その妻が女学校で行灯袴あんどんばかま穿いて牢乎ろうこたる個性をきたえ上げて、束髪姿で乗り込んでくるんだから、とても夫の思う通りになる訳がない。また夫の思い通りになるような妻なら妻じゃない人形だからね。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)