“あごさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
腭頭33.3%
頤先33.3%
顎尖33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女はただはやぶさの空をつがごとくちらとひとみを動かしたのみである。男はにやにやと笑った。勝負はすでについた。舌を腭頭あごさきに飛ばして、泡吹くかにと、烏鷺うろを争うは策のもっともつたなきものである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しゅッと一せん、細身の銀蛇ぎんだが月光のもとに閃めき返るや一緒で、すでにもう怪しの男の頤先あごさきに、ぐいと短くえぐった刀疵が、たらたら生血なまちを噴きつつきざまれていたので
つまんだ程の顎尖あごさきから、丸い顔の半へかけて、人をたばかって、人はむしろそのたばかられることをよろこぶような、上質の蠱惑こわくの影が控目にさしのぞいている。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)