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『メランコリア』
ふりがな文庫
『
メランコリア
(
)
』
外から砂鉄の臭ひを持つて来る海際の午後。 象の戯れるやうな濤の呻吟は 畳の上に横へる身体を 分解しようと揉んでまはる。 私は或日珍しくもない原素に成つて 重いメランコリイの底へ沈んでしまふであらう。 えたいの知れぬ此のひと時の衰へよ、 身動 …
著者
三富朽葉
初出
「創作 第一卷第七號」東雲堂書店、1910(明治43)年9月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約1分(500文字/分)
朗読目安時間
約2分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
呻吟
(
うなり
)
続
(
つな
)
空
(
むな
)
鑠
(
かがや
)
水月
(
くらげ
)
横
(
よこた
)
旋
(
めぐ
)
濤
(
なみ
)
痺
(
しび
)
揉
(
も
)
紛
(
まぎ
)
懶
(
ものう
)
群
(
むれ
)
脆
(
もろ
)
臀
(
しり
)
身体
(
からだ
)
鎔
(
と
)
尨犬
(
むくいぬ
)
題名が同じ作品
メランコリア
(旧字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)