メランコリア
外から砂鉄の臭ひを持つて来る海際の午後。 象の戯れるやうな濤の呻吟は 畳の上に横へる身体を 分解しようと揉んでまはる。 私は或日珍しくもない原素に成つて 重いメランコリイの底へ沈んでしまふであらう。 えたいの知れぬ此のひと時の衰へよ、 身動 …
題名が同じ作品
メランコリア (旧字旧仮名)三富朽葉 (著)