恋妻であり敵であったこいつまでありかたきであった
中央公論の二月号と三月号とに、文壇諸家の交友録が載つてゐました。そのなかに正宗白鳥氏は今は亡き人の平尾不孤、岩野泡鳴二氏を回想して、二人とももつと生きてゐたら、もつと仕事をしてゐただらうに、惜しいことをしたものだと言つてゐました。ほんたうに …