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奇態
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きたい
ふりがな文庫
“
奇態
(
きたい
)” の例文
「なんですって? いや御免ください……どうも私は耳が少し遠いもんですからね、何か
奇態
(
きたい
)
なお言葉を耳にしたように思いますが……。」
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
『
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
屹度
(
きつと
)
罰
(
ばつ
)
せられるんだわ、
斯
(
か
)
うして
自分
(
じぶん
)
の
涙
(
なみだ
)
の
中
(
なか
)
に
溺
(
おぼ
)
れるな
ン
て—
眞箇
(
ほんと
)
に
奇態
(
きたい
)
だわ!けども
今日
(
けふ
)
は
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
皆
(
みん
)
な
變
(
へん
)
よ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
これについて
奇態
(
きたい
)
なことは、高きより落ちる夢を見て、けっして下まで落ちきった夢は見ない。いつも夢の浮き橋で中絶するという
風
(
ふう
)
である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そういう
奇態
(
きたい
)
な高利貸の乞食がある。さすがに餓鬼の国に住んで居る乞食だけあって金の溜め方がひと風変って居るです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
しかしその程度に達すればかえってこれを妨ぐるものである、との
奇態
(
きたい
)
なる植物学上の事実が、ダルガス父子によって発見せられたのであります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
今日から申しますると、余程
奇態
(
きたい
)
な事でありますが、昔は実際そうでありました。したがって農業は神聖で、農民の肥料とする
糞尿
(
ふんにょう
)
は穢れとせぬ。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
核
(
たね
)
までがり/\
噛
(
かぢ
)
つちやつたな、
奇態
(
きたい
)
だよそんだが
桃
(
もゝ
)
噛
(
かぢ
)
つてつと
鼻
(
はな
)
ん
中
(
なか
)
さ
埃
(
ほこり
)
へえんねえかんな、
俺
(
お
)
れが
齒
(
は
)
ぢや
誰
(
た
)
れでも
魂消
(
たまげ
)
んだから
眞鍮
(
しんちう
)
の
煙管
(
きせる
)
なんざ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
まったく、幕軍側からみると、石と材木の組み合せにすぎない一孤塁に
拠
(
よ
)
っている人間どもの妄念は、ただただ、「
奇態
(
きたい
)
な奴らよ」としか思われなかった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに
関口
(
せきぐち
)
さんと
肥田
(
ひだ
)
さんは
鉄道
(
てつだう
)
には
懲
(
こ
)
りたと
云
(
い
)
つて、
何日
(
いつ
)
でもお
馬車
(
ばしや
)
で。岩「
何
(
なに
)
しろ
奇態
(
きたい
)
なもので……。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
が、このほうは、もう十年も前からこの世にいないひと。それにしても時沢弥平が、この俺に斬ってかかる
因縁
(
いんねん
)
はないはずだが……。
奇態
(
きたい
)
なこともあるものだ。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ヘーン、帰らなかったって? そいつは
奇態
(
きたい
)
だ。わしは、十六年というもの、ここの案内人をやってるだが、道にまよって出られなくなったなんて、聞いたこともねえでがす。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
公は往年夫人の
閨
(
ねや
)
へ通いつゞけた夜な/\、
餘所
(
よそ
)
ながら此の
奇態
(
きたい
)
な顔を
隙見
(
すきみ
)
させて
貰
(
もら
)
っては快感に浸っていたので、今日が始めてなのではないが、当人はそれを知る筈がないから
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
然り而して其の文を
観
(
み
)
るに、各々
奇態
(
きたい
)
を
奮
(
ふる
)
ひ、
啽哢
(
あんろう
)
真
(
しん
)
に
逼
(
せま
)
り、
低昂宛転
(
ていかうゑんてん
)
、読者の心気をして
洞越
(
どうゑつ
)
たらしむるなり。事実を千古に
鑑
(
かんが
)
みらるべし。
余
(
よ
)
適
(
たまたま
)
鼓腹
(
こふく
)
の閑話あり、口を
衝
(
つ
)
きて吐き
出
(
い
)
だす。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
ぬれてくるわの
化粧坂
(
けわいざか
)
、はいいが、なんにしても
奇態
(
きたい
)
な女。
早耳三次捕物聞書:04 海へ帰る女
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これが世間一般の人々からはよほど
奇態
(
きたい
)
に見える。
誤解せられたる生物学
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
しからば男という言葉もまた人もしくは女というように善意にも悪意にも用いらるるかというに、これは
奇態
(
きたい
)
に悪意に用うることがほとんどない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
こういう混雑の
最中
(
さなか
)
ですから随分
喧嘩
(
けんか
)
が起らなくてはならんはずですが、
奇態
(
きたい
)
にこの場合には喧嘩をしない。
表面
(
うわべ
)
だけは誠におとなしくやって居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
まことに
奇態
(
きたい
)
な性質、バカか
賢
(
かしこ
)
いのか、ぼんやり者かすばしッこいのか、つかみどころのないやつじゃ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
奇態
(
きたい
)
だこと、
兎
(
うさぎ
)
の
使
(
つか
)
ひに
來
(
く
)
るな
ン
て!』と
獨語
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
つて、『
今度
(
こんど
)
は
屹度
(
きつと
)
玉
(
たま
)
ちやんが
私
(
わたし
)
を
使
(
つか
)
ひにやるだらう!』
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは
其時
(
そのとき
)
の
事
(
こと
)
を
種々
(
いろ/\
)
想像
(
さうざう
)
して
見
(
み
)
ました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
モシお
前
(
まへ
)
さん。主「エヽ。妻「
彼
(
あ
)
のお客は忘れて
行
(
い
)
つたね。主「
何
(
ど
)
うだ
奇態
(
きたい
)
なものだらう、
茗荷
(
めうが
)
を
喰
(
く
)
ふと
馬鹿
(
ばか
)
になると
云
(
い
)
ふが、
実
(
じつ
)
に不思議なもんだな。妻「
本当
(
ほんたう
)
にさうだね。 ...
(和)茗荷
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
良賤の別が全く引っくら返るという
奇態
(
きたい
)
な現象になりました。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「……これが、単なる
昼食
(
ひるめし
)
でない証拠に、こんなふうにしていると、なんとなく歌でもうたい出したいような気持になる。
奇態
(
きたい
)
なこともあればあるものだ。……たしかに、なにか変調が起きたのにちがいない」
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
奇態
(
きたい
)
なトリオ(発端篇)
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかしここに
奇態
(
きたい
)
に思うことは、古い言葉にはあるいはあって、僕の
無学
(
むがく
)
のために知らぬのかは
測
(
はか
)
られぬが、
恩
(
おん
)
という字に
和訓
(
わくん
)
のないことである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それゆえに友達と縁を結ぶ時分にも一種
奇態
(
きたい
)
の
礼式
(
れいしき
)
があって、ちょっと婚礼のような具合に沢山御馳走を
拵
(
こしら
)
え多くの親類縁者を呼び集めてその式を挙げます。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
かれは、
奇態
(
きたい
)
なところへ乗っている自分の姿に笑いたくなった。一天の銀河が頭上に振り仰がれた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて
愛
(
あい
)
ちやんは
空中
(
くうちゆう
)
に
奇態
(
きたい
)
なものゝ
現
(
あら
)
はれてるのに
氣
(
き
)
がつきました、それは
最初
(
さいしよ
)
甚
(
はなは
)
だ
愛
(
あい
)
ちやんを
惑
(
まど
)
はしましたが、
暫
(
しばら
)
く
見
(
み
)
てゐる
中
(
うち
)
、
露出
(
むきだ
)
しの
齒
(
は
)
だと
云
(
い
)
ふことが
分
(
わか
)
り
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「やア……やア……やア
奇態
(
きたい
)
だ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“奇態”の意味
《名詞》
奇態(きたい)
風変わりであること。珍しいこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
態
常用漢字
小5
部首:⼼
14画
“奇”で始まる語句
奇
奇麗
奇蹟
奇怪
奇妙
奇異
奇特
奇矯
奇瑞
奇体