醤油しやうゆ)” の例文
ざつみづけて、ぐいとしぼつて、醤油しやうゆ掻𢌞かきまはせばぐにべられる。……わたしたち小學校せうがくかうかよ時分じぶんに、辨當べんたうさいが、よくこれだつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
砂糖さたうだなんて、だまつてればらねえでるもの、かれたらどうすんだ、砂糖さたうだの醤油しやうゆだのつてそんなことしたつくれえなんぼそんだかれやしねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
米味噌醤油しやうゆ鰹節かつをぶしちや蝋燭らうそくまでをも用意よういして従者ずさにもたせて立いでしは文政十一年九月八日の事なりき。
ぼんうへあまりのもち三切みきれ四片よきれせてあつた。あみしたから小皿こざらのこつた醤油しやうゆいろえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
味噌みそうちつくり、お醤油しやうゆうちつくり、祖母おばあさんや伯母をばさんのかみにつけるあぶらまでには椿つばきしぼつてつくりました。はやしにある小梨こなしかはつてて、黄色きいろしるいとまでめました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「百兩の禮金が入れば、はばかながたな賃や味噌みそ醤油しやうゆ代で親分に苦勞はさせねえ」
醤油しやうゆ上州屋じやうしうや
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
びんそこになつた醤油しやうゆは一ばん醤油粕しやうゆかすつくんだ安物やすもので、しほからあぢした刺戟しげきするばかりでなく、苦味にがみさへくははつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
……しかしおこの別誂べつあつらへもつて、とりのブツぎりと、玉葱たまねぎと、凍豆腐こゞりどうふ大皿おほざらんだのを鉄鍋てつなべでね、沸立わきたたせて、砂糖さたう醤油しやうゆをかきぜて、わたし一寸ちよつと塩梅あんばいをして
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
祖母おばあさんは、とうさんが子供こども時分じぶん着物きものおびまで自分じぶんつたばかりでなく、べるもの——お味噌みそからお醤油しやうゆたぐひまでおうちつく祖母おばあさんが自分じぶんかみにつけるあぶらまでには椿つばきからしぼりまして
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
卯平うへい幾杯いくはいたゞちやすゝつた。壯健たつしやだといつてもかれがげつそりとちてやはらかなものでなければめなくなつてた。卯平うへいまたおつぎへ醤油しやうゆびんして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
帷幄ゐあくさんして、蝶貝蒔繪てふがひまきゑ中指なかざし艷々つや/\しい圓髷まるまげをさしせてさゝやいたはかりごとによれば——のほかにほ、さけさかなは、はしのさきで、ちびりと醤油しやうゆ鰹節かつをぶしへてもいゝ、料亭れうてい持出もちだし)
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)