とは)” の例文
くらかねるも二君に仕へぬ我魂魄わがたましひ武士の本意と思へどもにあぢきなき浮世うきよかなと一人涙を流したるとはがたりの心の中思ひやられてあはれなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どくなれど此處こゝれて眞直まつすぐゆきしゝと小路こみちりぬ、なんこと此路このみち突當つきあたり、ほかまがらんみちえねば、モシおたくはどのへんでと覺束おぼつかなげにとはんとするとき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なすあへぎながらものいふが苦しげなれば此方こなたよりこゝはなどゝとはん時のほか話しかけるに及ばずと云へど左れど國自慢に苦しげながら又不問語とはずがたりするも可笑をかし野尻を過ぎ三戸野みとのにて檜笠ひのきがさ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
辞世じせいとて口碑こうひにつたふる哥に「岩坂のぬしたれぞとひととは墨絵すみゑかきし松風の音」遺言ゐげんなりとて死骸なきから不埋うづめず、今天保九をさる事四百七十七年にいたりて枯骸こがいいけるが如し。是を越後廿四奇の一にかぞふ。
とはんに然樣の事覺えなし又不義仕掛たる事も候はずといふときは互ひに水掛論みづかけろんにて證據なければ主人を相手あひて公事くじをなすのみならず奉公人の方より主人へ無理暇むりいとま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
辞世じせいとて口碑こうひにつたふる哥に「岩坂のぬしたれぞとひととは墨絵すみゑかきし松風の音」遺言ゐげんなりとて死骸なきから不埋うづめず、今天保九をさる事四百七十七年にいたりて枯骸こがいいけるが如し。是を越後廿四奇の一にかぞふ。
渡世とせいに致居るやと有に主税之助多兵衞は渡り徒士かちげふと仕つり候と言へば所は何處にて苗字めうじは何と申やととはるゝに住所は小柳こやなぎ町一丁目にて切首きりくび多兵衞ととなへ候と申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)