“はき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハキ
語句割合
覇気45.2%
穿14.0%
破毀9.7%
8.6%
3.2%
判然3.2%
3.2%
破棄3.2%
覇氣2.2%
嘔吐1.1%
發規1.1%
発揮1.1%
發揮1.1%
1.1%
破几1.1%
羽利1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正季初め、単純な若人ばらの覇気はきにせよ、功名心だけでもないほまれと死の意味も、一面の気概となっていることは見のがされない。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかんとなれば冬の雪はいかほどつもりても凝凍こほりかたまることなく、脆弱やはらかなる事淤泥どろのごとし。かるがゆゑに冬の雪中はかんじきすかり穿はきみちゆく里言りげんには雪をこぐといふ。
さきに、信雄と協定した城塁じょうるい破毀はき、領土の分割のほか、徳川方には、現状以外の変更は追求しない。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
菅神怍色はづるいろあり、たま/\柘榴さくろすゝむ、 菅神たべかけはきほのふをなし玉ひしといふ故事ふることは、元亨釈書げんかうしやくしよ妄説まうせつおこる。
はき是れどうしても泥棒どろぼうと云ふ看板かんばんを掛て居る樣なものだサア此方へ來いと直樣坂本の自身番へ引上しに出役岡村七兵衞馬籠まごめくら十郎の兩人ひかへ居る前へ久兵衞を引きすゑまづ雜物ざふもつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さア。そう思ッていてもらわなければ……」と、西宮も判然はきとは答えかねた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
上野の式場に行幸みゆきある道筋は、はき清められてあったが、市中の泥濘でいねいは、田の中のようだった。
和睦の条文を破棄はきしたばかりか、遠征の留守をうかがってきょをつくとは、卑劣極まる、武門の列に加えておけない信玄入道である、百姓町人の困難も顧みてやらない地上の乱賊である。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
精力せいりよくはある、覇氣はきはある、酒はける、女には眼が無い、ひらツたく謂ツたら頑固な利かぬ氣のじいさんで、別の言で謂つたら身分の高い野蠻人やばんじんである。其のくせ馬鹿に體面たいめん血統けつとうを重んじて。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
加十は嘔吐はきたいような気持で恍惚と坐っていると、今度はボーイらしい青二才が入って来て一通の電報を差出して引退って行った。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この忠義一徹の部長の懐中ふところからどんな物騒なものが飛び出すか知れたもんじゃない。加十は胸先へ突き上げて来る一種形容し難い悪寒と戦慄で、嘔吐はきたいような気持になって来た。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
拾ひしものあらば隱さず申し出よと言渡しけるに若者のうちに一人發規はき返詞へんじをせざる者ありしがやゝあつて此者申すは先刻掃除を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
底氣味そこきみわるく答へも發規はきざりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その時の二葉亭の答が、今では発揮はきと覚えていないが、何でもこういう意味であった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
きらふにあらねど未だ未邊女氣おぼこぎのうらはづかしく發揮はき問答へんじを爲さざるなる可し就ては氣永きなが口説くどく時は竟に意に從ふならんと思ふにもず其娘は今度本町の小西屋へ縁談えんだんきまり箇樣々々と糊賣のりうりお金が話したるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何故と云えば、俺は、ソレ倒れたのだ。尤もこれははきとせぬ。
しかれども赤貧洗うがごとく常に陋屋ろうおくの中に住んで世とれず。古書こしょ堆裏たいりひとり破几はきりていにしえかんがえ道をたのしむ。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「太政官みたいに、いろはのいの字も知らんほどで、我れが名前も書けんかて、村で一といふて二のない羽利はききになつたやないか。……錢儲けは上手やし。……あの寺田の息子見い、大學校の一年生までいたいふけど、薩張り阿呆で人が相手にせんやないか。」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)