“脆弱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜいじゃく75.3%
ぜいじやく7.4%
ひよわ6.2%
かよわ4.9%
せいじやく1.2%
もろ1.2%
やに1.2%
やはらか1.2%
よわ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まるで、大自然の威力の前に、脆弱ぜいじゃくな人間の文明がおどおどして、蝸牛かたつむりのように頭をかたく殻の中へかくして萎縮しているようである。
犠牲者 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
九 僕のからだは元来甚だ丈夫ならざれども、殊にこの三四年来は一層脆弱ぜいじやくに傾けるが如し。その原因の一つは明らかに巻煙草を無暗むやみに吸ふことなり。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ははは乃公おれか、乃公はそんな脆弱ひよわい身体でない。いはばこれも道楽の、好きでする仕事に、疲れなんぞ出るものなら、とうに死んでゐる筈なり。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
何もそう幽霊に親類があるように落着いていてくれるこたあねえ、これが同一おなじでも、おばさんに雪責にされて死んだとでもいう脆弱かよわ遊女おいらんのなら、五助も男だ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だまされるような脆弱せいじやくな自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである。
戦争責任者の問題 (新字新仮名) / 伊丹万作(著)
その状態は、そこに何か衝動さえ与えられれば、恐らくひとたまりもないほど脆弱もろいものだったに違いありません。そこで僕は、スペードの王様キングということばを出したのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
草人は心臓がけさうな声をして叫んだ。だが感謝せよ、草人の心の臓はそんな事でける程脆弱やにつこくは出来てゐなかつた。
いかんとなれば冬の雪はいかほどつもりても凝凍こほりかたまることなく、脆弱やはらかなる事淤泥どろのごとし。かるがゆゑに冬の雪中はかんじきすかり穿はきみちゆく里言りげんには雪をこぐといふ。
「なんの、長二」と伯母は白き頭振りつ「身体からだは使ふだけ健康ぢやうぶだがの、お前などのは、心気こゝろを痛めるので、大毒だよ——今ではお前も健康の様だが、生れが何せ、脆弱よわたちで、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)