脆弱ぜいじやく)” の例文
九 僕のからだは元来甚だ丈夫ならざれども、殊にこの三四年来は一層脆弱ぜいじやくに傾けるが如し。その原因の一つは明らかに巻煙草を無暗むやみに吸ふことなり。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これは十九のやくで、生み立ての玉子のやうに、清潔で、脆弱ぜいじやくで、燃える生命そのもののやうな、美しい娘でした。
吾人は吾人の刀剣をふるふこと、愛山生の所謂英雄剣を揮ふ如くするも、成敗の数は始めより定まりてある如く、吾人は自然(力としての)の前に立ちて脆弱ぜいじやくなる勇士にてあるなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
六、七、八、九の月は、農家は草と合戦かつせんである。自然主義の天は一切のものを生じ、一切の強いものを育てる。うつちやつて置けば、比較的脆弱ぜいじやくな五穀蔬菜は、野草やさうふさがれてしまふ。
草とり (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
開きつ「婦人をんななんてものは、く思想の浅薄で、感情の脆弱ぜいじやくなものだからナ、少こし気概でもあつて、貧乏して居る独身者でも見ると、きに同情を寄せるんだ、実にクダらんものだからナ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
お才と同じ年の二十三、蒼白くて若々しくて、心身共に脆弱ぜいじやくな感じですが、こんな弱さうな男は、一心不亂に思ひ詰めると、戀のやまひと言つた、古風なわづらひをするのかも知れません。