“しと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
29.6%
仕遂19.5%
為遂8.2%
5.7%
4.4%
刺止3.8%
使徒3.8%
仕止3.1%
湿3.1%
仕留3.1%
尿2.5%
1.3%
1.3%
司徒1.3%
爲遂1.3%
志戸0.6%
仕度0.6%
他人0.6%
使途0.6%
四蠹0.6%
0.6%
射止0.6%
撃止0.6%
0.6%
0.6%
為止0.6%
私渡0.6%
青年0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この美女たちがいずれも長い裳裾もすそを曳き、薄い練絹ねりぎぬ被衣かつぎを微風になぶらせながら、れ違うとお互いにしとやかな会釈を交わしつつ
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
それは今、殺人罪で警察に監禁かんきんせられているカンカン寅の仕事だ。彼奴あいつはそれを、あの海岸通の古い建物の中で仕遂しとげたのだ。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それから一年に近い間、この小さい為事はなめらか為遂しとげられて来たのだが、今日はすず子に堪へられない悪感を与へるのであつた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
しとの言事を取上げなくッて御免になりながら、糞落着に落着払ッて、出来た事なら仕様が有りませんとは何のこったエ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
古来幾多の世捨人よすてびとは人間の死ということに心を置いて、樹下石上の旅にさまようた。西行さいぎょう宗祇そうぎ芭蕉ばしょうもまたそれら世捨人のあとをしとうて旅にさまようた。そうして宗祇も芭蕉も旅に死んだ。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
生れて初めての強敵を刺止しとめし事とて、ほつと一息、長き溜息しつゝ、あたり見まはす折しもあれ最前の若衆、血飛沫ちしぶき乱れ流れたる明障子あかりしやうじさつと開きて走り寄り、わが腰衣こしごろもに縋り付きつゝ
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかし、ニールスはあとになってからも、段々だんだんのある破風はふだけは思いだすことができました。そこには、キリストと使徒しとぞうが、安置あんちされていました。
そうだとすればおれは一層いっそうおもしろいのだ、まあそんな下らない話はやめろ、そんなことは昔の坊主ぼうずどもの言うこった、見ろ、向うをかりが行くだろう、おれは仕止しとめて見せる。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
木の蔭に乗物を立てかけておいて、お島は疲れた体を、草のうえに休めるために跪坐しゃがんだ。裳裾もすそ靴足袋くつたびにはしとしと水分が湿しとって、草間くさあいから虫がいていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そこへ単身徒歩で登場して牛に直面し、機を見て急所へ短剣エストケの一撃を加えて目出度めでた仕留しとめるのが、3のマタドウル・デ・トウロスだ。このとどめをさす役が、闘牛中の花形エスパダなのである。
石蕗つわの葉の霜に尿しとする小僧かな 子規
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
湯島時代に彼女は店の用事にかこつけ、二日ばかり帰らぬ松島を迎えに行き、小菊にったこともあったが、逢ってみると挨拶あいさつしとやかなので、印象は悪くなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すると、間遠い魚の影が、ひらりと尾ひれひるがえして、べらかな鏡の上には、泡一筋だけが残り、それが花瓣のようなしとやかさで崩れゆくのだった。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
自分儀は、先朝にお仕え申していた司徒しと崔烈さいれつの弟で、崔毅さいきという者であります。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ロレ まゝ、かへらしめ。(藥瓶を渡し)さらば、たくましう覺悟かくごして、首尾しゅびようこと爲遂しとげさッしゃれ。わしはまたさる法師ほふしに、おこと殿御とのごへの書面しょめんたせ、いそいでマンチュアまでりませう。
しょせんこの写経を魔道に回向えこうし、魔力によってこの恨みを晴らそうと、ひとすじに心をきめ、指を切ってその血で願文を書き、経とともに志戸しとの海に沈めてからのちは、人にも逢わず
所詮しよせん此の経を一〇一魔道に回向ゑかうして、恨をはるかさんと、一すぢにおもひ定めて、ゆびやぶり血をもて願文ぐわんもんをうつし、経とともに一〇二志戸しとの海にしづめてし後は、人にもまみえず深くぢこもりて
「それも申上げられませぬ。わたしの秘密に仕度しとうございます。校長さんに済みませぬから……」
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いつ耳に入れているか、他人しとのお稽古で覚えてしまって、世話のないお子ですと、お世辞を言ったのだった。
表題は金銭出入帳にすぎないが、その一項一項に、細かにしるされている金の使途しとを読んでゆくと、復讐に加わった同志四十七名の一年半の生活が、まざまざと想像にのぼって来るのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これ鄭暁ていぎょう方先生伝ほうせんせいでんもとづく)まことしかり、孝孺の志すところの遠大にして、願うところの真摯しんしなる、人をして感奮せしむるものあり。雑誡の第四章に曰く、学術のなるは、四蠹しとこれを害すればなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
遠州御前崎おまえさきの浜で、塩田をつくった折りに、十四歳の少女で抜群の働きをして、親孝行の褒状をもらったというしとで、父とは十六ばかり年がちがっている。
「おい、母ちゃんの方へ行って、吃驚びっくりしないように左様そういっておやり。今パパがウールトオの狂犬きちがいいぬ射止しとめるからな」
生さぬ児 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
(機をうかがって、新将軍の秀忠を鉄砲で撃止しとめろ)
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燻臭いぶりくさき悪気は四辺あたり充満みちみちて、踏荒されし道は水にしとり、もえがらうづもれ、焼杭やけくひ焼瓦やけがはらなど所狭く積重ねたる空地くうちを、火元とて板囲いたがこひ得為えせず、それとも分かぬ焼原の狼藉ろうぜきとして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夏、夏、夏の薄暮は何時もアーク燈の光のやうに薄紫の涙に濡れしとつたやるせない寂しい微光の氛囲気を私の心の周囲まはりにかたちづくる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
切る奴は他にある、おのれらは切らぬ、安心せい……鴫澤主水しぎさわもんどを探し出し、ただ一刀に返り討ち! おんな、お妻を引きずり出し、主水ともども二太刀で為止しとめる。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
で、元来はこの張横ちょうおう、張順の兄弟は、俗に“私渡しと”とよばれる非公認の渡船稼業とせんかぎょうをやっていたのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうど御通知の番号の車で、この青年しとが見えましたから気をつけてお話を聞いておりますと、ポートサイドあたりへいらっした方にしては、すこし色が白過ぎるんですものねえ。ホホ。
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)